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不動産投資の確定申告のやり方を徹底解説!節税・経費・必要書類もわかりやすくまとめました!

不動産投資

アパート・マンション経営などで行う不動産投資は、情報漏洩のリスクが少なく本業へ影響を与えずに活動できるため、副業にあたらないとして多くの会社で認められています。そのため不動産投資は、会社員にとって給与以外の収入源を確保するための魅力的な手段です。

ただし不動産投資で利益を得ている場合は、確定申告が必要となるため注意が必要です。会社員としての収入しかない場合は、年末調整をすることで会社が本人に代わり税金を納めてくれます。しかし不動産投資による収入もある場合は、自ら確定申告を行い所得税や住民税を納付しなければなりません。

利益を減らさずに確定申告をするためには、経費計上を正しく行うことが大切です。そこで今回は不動産投資の確定申告を正しく行う方法について、経費の対象となるものとならないものの実例も挙げながら詳しく解説します。

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不動産所得とは何か?

不動産所得とは、不動産投資による所得のなかでも不動産の貸し付けによって得る個人の利益のことをいいます。たとえば、アパートなどの部屋を賃貸住宅として貸し付けて得る家賃収入はその一例です。

ただし、家賃収入が不動産所得の対象となるかどうかは事業としての貸し付けであるかどうかで決まり、事業としての貸し付けにあたるかは貸し付けの規模により判断されます。具体的にはアパートなどであれば貸与できる部屋がおおむね10室以上、独立家屋の場合はおおむね5棟以上だと不動産所得の対象です。

ちなみに、不動産投資には不動産の売却や下宿経営などによって利益を出す方法もあります。しかし売却益は譲渡所得、食事付きで部屋を貸すなどほかのサービスも提供する場合は事業所得の対象です。譲渡所得や事業所得は不動産所得と所得の種類が異なるため、申告方法も変わります。

確定申告の種類

確定申告には青色申告と白色申告の2つの申告方法があり、どちらを選ぶかは金額や規模に関わらず自由です。ただし、選択した申告方法によって帳簿の付け方や提出する書類の種類が変わります。ここではそれぞれの申告方法の特徴を紹介します。

青色申告

青色申告は、事前に「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」を所轄の税務署に届け出る必要がある申告方法です。また記帳が簿記による正式な方法で、現金出納帳、収入帳、経費帳、固定資産台帳、仕訳帳、総勘定元帳など多種の帳簿を使用します。

加えて4つのメリットがあり、その1つが最高で55万円の青色申告特別控除を受けられることです。青色申告の記帳方法は複式簿記と簡易簿記の2種類があり、記帳が比較的簡単な簡易帳簿でも10万円の控除対象となります。

さらに、生計をともにする家族従業員への給与を青色事業専従者給与として経費計上できること、年末に貸し倒れなどで損失の見込みがあった場合に、その金額を必要経費として計上できることも魅力です。そのほか、不動産投資で損失が出ても翌年以降の3年間は、その損失分を繰り越したり繰戻ししたりできて所得税の負担を軽減できます。

このようにメリットの多い青色申告ですが、簿記の知識がない初心者だと敬遠しがちです。しかし基本的なことを自分で学びつつ、会計ソフトを活用すれば必ずしも難しいというわけではありません。複式帳簿が難しい場合には簡易帳簿もあるため上手に利用するとよいでしょう。

白色申告

白色申告は事前の届け出を不要とする申告方法です。そのため、開業届や青色申告の申請書を提出していない場合には、必然的に白色申告を行うことになります。

また、帳簿の作成が青色申告と比べると簡易であることも特徴です。青色申告の複式簿記のように取引を1つずつ細かく記載する必要がなく、1日の合計金額をまとめて記載する方法も認められています。作成する帳簿は現金出納帳、収入帳、経費帳、固定資産台帳の4種類です。

白色申告は青色申告のようなメリットはありませんが、初心者でも取り組みやすく帳簿付けに取られる時間を抑えることができます。

確定申告の手順

確定申告と領収書

所得税の確定申告は、1年間の所得を整理し所得にかかる税金を計算して納税額を国に報告する手続きです。税金を課せられる不動産所得は、不動産投資による総収入から必要経費を差し引いて算出します。この計算方法も踏まえつつ、以降に紹介する確定申告の手順を把握しておきましょう。

必要書類の準備

確定申告には下記の表のとおりさまざまな書類が必要です。申告時に慌てないためにも、必要書類は余裕をもって準備しておきましょう。また、書類によって原本が必要なものとコピーでよいものがあるため、事前に確認しておくと安心です。

  必要書類 書類の詳細 入手先 備考
収入関係 不動産売買契約書 不動産の売買契約をしたときに売り主との間で取り交わす契約書 不動産会社 コピー
賃貸契約書 部屋を貸す際に借り主と取り交わす契約書 不動産会社 コピー
家賃送金明細書 家賃回収などの収支明細が記された清算書 管理会社  
譲渡対価証明書 土地と建物の案分割合が記された書類で減価償却の算出に使用 不動産会社 コピー

土地と建物それぞれの金額の記載が売買契約書にない場合にのみ必要

売渡精算書 不動産売買時の費用の明細書 不動産会社 コピー
経費関係 各種税金の納付書 固定資産税、都市計画税、不動産取得税、収入印紙税の納付書 国や自治体  
ローン返済表 借入時から完済までの返済計画が記された書類。ローン金利分の経費計上で使用 借入先の金融機関 前年1年間分のみ
管理費・修繕積立金の領収書 アパートなどの共用部分に対する修繕費用の積み立てや建物のメンテナンスにかかったお金の領収書 管理組合 前年1年間分のみ
控除関係 保険料控除証明書 火災保険や地震保険に関する保険料の支払い証明書 保険会社  
その他 源泉徴収票 1年間の給与額や所得税の納付額などが明記された書類 勤務先 コピー

帳簿作成

帳簿は書き漏れがないように日々付けておくことが大切です。記入する帳簿は青色申告と白色申告のどちらの申告方法であるかによって異なり、帳簿の作成には手書きで行う以外にExcelや会計ソフトを利用する方法もあります。

なかでも会計ソフトは、関連するほかの帳簿への転記や細かな計算も自動で行うため、転記間違いや計算ミスを防ぐことができ便利です。さらに、最低限の必要事項を入力するだけ決算書や税務署へ提出する確定申告書の作成まで行えるため、準備にかける時間や手間を軽減できます。

決算書作成

決算書は1年間の損益やお金の流れ、決算日時点で資産の保有や負債がどれくらいであるかを明らかにするための書類です。金融商品取引法では「財務諸表」と呼ばれています。

作成する書類は、青色申告であれば損益計算書や貸借対照表、内訳など(簡易帳簿の場合には貸借対照表は作成不要)を記載する4ページ構成の「青色申告決算書」、白色申告の場合には2ページ構成の「収支内訳書」です。

未収の家賃や未払いとなっている経費、減価償却費の計上を行ったうえで1年間の帳簿の集計を行い、該当する決算書に転記します。決算書の用紙は税務署の窓口で入手可能です。また、国税庁のサイトよりダウンロードすることもできます。

確定申告書作成・提出

決算書の作成が終わったら確定申告書を作成し、必要書類とともに所轄の税務署へ提出します。確定申告書の用紙はA様式とB様式の2種類あり、不動産所得の確定申告を行う際に使用するのはB様式です。決算書と同様、税務署の窓口あるいは国税庁のサイトからのダウンロードすることができます。

ただし会計ソフトを使用する場合、確定申告書の用紙をこれらの場所で入手しなくても指定の書式で出力し、そのまま提出することが可能です。提出方法は税務署への持参か郵送、e-taxから選べます。

所得税・住民税納付

確定申告で所得税や住民税の金額が確定したら、納付も忘れずに行わなければなりません。所得税の納期限は確定申告の期限と同じく原則3月15日です。

また、納税方法は5つあり、1つ目が口座振替です。所轄の税務署もしくは利用する金融機関で事前に利用申請しておく必要はありますが、1度手続きをしておくと翌年以降も自動振替となりとても便利です。

2つ目はクレジットカードで納付する方法です。納税額に応じて決済手数料はかかりますが、パソコンさえ使えれば時間や場所を選ばず24時間納付できます。

3つ目はe-taxを使う方法です。事前にe-taxの利用登録を行って所轄の税務署か利用する金融機関に届け出をしておけば、インターネット上で簡単に自分の口座から振替納付できます。

4つ目は国税庁のサイトかe-Taxで自作するQRコード、または税務署発行のバーコード付納付書を使ってコンビニエンスストアで納付する方法です。税務署や金融機関が近くにない場合に重宝します。

5つ目は金融機関や税務署の窓口で現金納付する方法です。

一方、住民税を納付するのは確定申告の情報をもとに金額が確定されてからです。給与所得者は「給与からの差引き」か「自分で納付」を選択でき、自分で納付する場合には市区町村から6月頃に送付される納付書で納めます。

不動産投資で認められる経費

節税するためには、確定申告で計上できる不動産投資の必要経費を正しく把握し、過不足が出ないように計上することが大事です。ここでは不動産投資の経費として認められるものを具体的に紹介します。

ローン金利

投資用に購入する不動産の資金を金融機関などから借り入れた場合、借入金にかかる金利とローンを受けた年に支払った手数料は経費計上できます。

ただし、最終的に投資が赤字となった場合には、土地の購入資金にかかる金利分は経費計上できないため注意しなければなりません。土地と建物をまとめて購入している場合は、建物分のローン金利だけを計上できるよう、ローン金利を土地と建物の割合に合わせて按分しておく必要があります。

減価償却費

減価償却費とは取得費用を分割して毎年少しずつ経費計上する費用です。高額なものを購入した年だけ経費の負担が大きくなって、経営状態のバランスが悪くなることを避ける目的などから設けられています。

使用可能な年数に応じて定められている耐用年数で取得費用を割った金額が、毎年経費として計上できる金額です。個人は強制、法人は任意で計上することになっています。

減価償却費の対象となるのは、投資用物件の建物部分における取得費用、給排水衛生設備やガス設備の費用などです。

各種保険料

投資用物件のために加入した火災保険や地震保険の保険料は、損害保険料として経費計上できます。ただし計上する期間には注意が必要です。

損害保険は先々数年分の契約をまとめて行うこともあります。しかし、計上できる保険料は確定申告を行う年の該当期間に支払った1年分だけです。たとえば契約期間が5年で保険料が15万円の保険に加入した場合、計上できるのは申告する年の対象となっている1年間の保険料、つまり15万円を5年で割った3万円のみとなります。

管理委託料

投資用物件の管理には、自ら管理する方法と不動産の管理会社に委託する方法があり、委託している場合には管理委託料も経費の対象です。管理委託料とは、アパートなどの投資用物件に対する管理業務の対価として委託先の管理会社へ支払う費用をいいます。

管理業務を委託すると入居者の募集や審査、契約や更新の手続き、集金や滞納の催促といった家賃の管理などを代行してもらえます。管理委託料の金額は管理会社によって異なりますが、家賃の5%程度であることが一般的です。

管理費・修繕費

投資用物件の維持管理にかかる管理費や修繕費も経費計上できます。管理会社によって異なる場合もありますが、一般的には共用部分の清掃やエレベーターなど、各種設備の保守点検にかかる費用などが管理費です。一方、建物の劣化や設備の故障時にかかった原状回復費などは修繕費といいます。

ただし、同じ修繕目的でも投資用物件の価値を上げるためにかかった工事費用は、修繕費ではなく減価償却費です。また、20万円を超える工事費用も減価償却の対象となるため計上する際には気を付けましょう。

仲介手数料・広告宣伝費

アパートなどを貸して利益を出すためには、当然ながら賃料を支払ってくれる入居者がいることが必須です。入居者を集めるためには物件を宣伝するための広告を出したり、その広告を作成したりしなければならない場合もあり、そのような際に広告宣伝費がかかります。

また、アパートなどへ新たに入居者が入るたびに、仲介を行う不動産会社へ仲介手数料の支払いも必要です。これらは不動産を投資用として成り立たせるために必要な費用となるため、経費計上できます。ただし、購入に際してかかった仲介手数料を計上するのは取得価額となるため要注意です。

立退料

投資用物件の価値を高めるために建て替えをする際は、入居者に建物から退去してもらわなければならないときもあります。このように賃貸人側の都合で入居者に退去を求める場合に発生する、賃貸人から入居者へ支払う立退料は経費の対象です。

ただし、立ち退きの目的が賃貸している建物を譲渡するための場合は、譲渡所得に関わるため不動産所得の必要経費にはなりません。不動産所得を計算する際に経費として計上できるのは、立ち退いてもらう賃貸物件が不動産所得の起因となっていて、立ち退きの目的が譲渡以外である場合です。

固定資産税等税金

不動産投資をするうえでかかった税金は基本的に経費になります。たとえば毎年必ずかかる固定資産税や都市計画税は経費の対象です。また、投資用物件の購入時に必要となる不動産取得税、所有権の登録免許税、印紙税も経費として計上できます。

さらに、不動産投資に車を使っている場合は自動車税、不動産投資で使用している分に限り自動車重量税も計上できるお金です。そのほか法人事業税や所得税の延滞にかかる利子税なども経費として認められています。ただし、例外として所得税、住民税、法人税は経費にできません。

司法書士・税理士への報酬

不動産投資を行うにあたり、やらなければならない手続きのなかには専門的な知識を必要とするものや、自分で行うには手間がかかるものもあります。そのようなときは各分野の専門家に手続きを代行してもらうのも方法です。

不動産投資に関わる手続きを専門家に依頼した場合にかかる報酬は経費にできます。たとえば所得税の確定申告手続きを委託した税理士や、投資用物件の登記手続きを依頼した司法書士への報酬は経費として計上できる費用です。

交通費

投資用物件を探すときや不動産会社などの関係者を訪問する際など、移動を必要とすることもあります。移動に電車やバスなどの公共交通機関や車を利用した場合は、旅費交通費として経費にあてられるためきちんと領収書を残しておきましょう。領収書が発行されないものは自分で旅費精算書を作り明細を記入しておくことが必要です。

具体的に計上できる費用とは運賃、高速道路の料金、車のガソリン代や駐車場代などです。遠方で宿泊を伴った場合には宿泊費も経費にできます。

情報収集のための費用

不動産投資の情報や、知識を収集するためにかかった費用は経費として認められます。たとえば不動産市場や経済の動向、賃貸経営や税金の知識など不動産投資をするにあたり、必要な情報が載っている書籍や新聞の購入費は、新聞図書費として経費計上できるお金です。また、不動産投資に必要なアドバイスをコンサルタントにもらう場合、コンサルティング料が発生します。このコンサルティング料も経費として計上できます。

一方、不動産投資に関わる内容が含まれている場合でも、資格取得のために払った費用は経費として認められません。

交際費

投資用物件に関わる不動産会社や管理会社、不動産投資を行うにあたり、業務を委託している専門家などとの打ち合わせでかかった飲食代は接待交通費として経費にできます。さらに、その際持参する手土産などの購入費も経費の対象です。

ただし、金額が非常識なほど高額な場合は税務調査を受けることがあります。また、当然ながら家族や友達などとの交際に使った費用は経費として認められません。

専従者の給与

青色申告者の場合、生計をともにしている家族従業員への給与を経費として計上できます。ただし、青色申告で行うことに加えて、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署に提出していることが条件です。

一方、白色申告者では経費計上を認められていませんが、事業専従者控除の特例を利用できる場合があります。事業専従者控除の特例とは、所得金額や家族従業員数などに応じた金額分だけ必要経費としてみなしてもらえる制度です。

家賃・光熱費

賃貸経営を行うにあたり事務所を借りている場合は、その賃料や光熱費は経費の対象です。また、自宅兼事務所としている場合は、プライベートでの使用分と案分して賃貸経営で使用している分のみ経費にできます。

ただし、経費として計上する家賃や光熱費の割合があまりのも多いと、税務署から指摘を受けることもあるため注意しましょう。

車両関連費用

不動産投資に自動車を使用する場合は、その自動車の購入代金は経費の対象です。また、個人で所有している自動車を不動産投資の業務でも使う場合には利用している分だけ案分して経費にできます。

さらに、自動車の維持に必要となる費用も経費に認められるお金です。たとえば自動車税や自動車保険の保険料、一定期間ごとに受けることが義務付けられている車検のようなメンテナンス費用なども経費の対象となっています。

通信費

固定電話や携帯電話の使用代金、インターネットの通信費やプロバイダ代なども不動産投資のために使っているものであれば経費として認められます。さらに、パソコンや携帯電話の購入代金も経費にできるお金です。プライベートと共用しているものについては案分することで経費にできます。

ただし、購入代金が10万円を超えると減価償却の対象となるため、全額を一括して計上できません。そのほか不動産投資に必要となる郵便や宅配便の代金も経費の対象です。

プライベートと兼用する経費は按分する

不動産投資を行うために使う経費のうち、プライベートと兼用しているものについては案分して経費計上します。案分方法に決まりはないため経費にあてる割合は自分で自由に設定できますが、税務署に聞かれても納得してもらえるような客観的な根拠は必要です。

そのため、家賃であれば実際に事務所として使用しているスペースと、自宅として使用しているスペースの割合で計算することが一般的です。

(例)
・9万円の家賃で借りている自宅の広さが90㎡
・そのうち10㎡を事務所として使っている場合

全体の9分の1のスペースを事務所として使用しているため9万円の9分の1である1万円を経費として計上します。

また、通信費であれば不動産投資に関わる業務を行っている時間の割合などから、車両関連費用については不動産投資のための移動で走行した距離などから算出します。

不動産投資で認められない経費

一見すると不動産投資のための費用に思われるものでも、経費として計上できないものもあります。経費にできないものを経費計上した結果、納める税金が少なかったことが判明するとペナルティが科せられる場合もあるため要注意です。ここでは経費として間違いやすい3つの費用を紹介します。

スーツ購入費

スーツは不動産投資関連の用事で着用するために買ったものであっても、購入代金を経費にできません。また、ビジネスバッグや靴なども経費として認められないことが一般的です。

これらは不動産投資の業務を行うにあたり必要とされるものですが、不動産投資以外の用事でも使用するものであるため対象外となっています。

反則金・罰金

不動産投資に関わる車両関連費用は経費にできます。しかし、反則金や罰金は対象外です。管理中に投資物件の前に駐車したことによる駐車違反や、管理会社に向かう途中で犯したスピード違反などに対するものであっても経費にできません。罰金などが節税につながってしまうと罰則の意味がなくなってしまうからです。

ただし、車両のトラブルが原因で利用したレッカーサービスの代金は経費として計上できます。

スポーツジム会費

会社員は福利厚生でスポーツジムを利用できることがあります。そのため、自ら不動産投資をしている場合にもスポーツジムの会費を福利厚生費として経費計上できると考える人もいるでしょう。

しかし、個人事業主の場合スポーツジムの会費は経費にできません。そもそも福利厚生を設ける目的は従業員の労働意欲を高めることにあるからです。そのため、家族以外に従業員を雇用している場合には経費に認められる場合もあります。

法人はさらに節税できる

不動産投資は個人事業主としてだけではなく法人として行うこともできます。法人化すると節税効果に期待がもてる点がメリットです。

法人化することで所得税の税率を下げられる場合があります。個人事業主に課せられる税金は所得税が5~45%と住民税が10%で最大55%ですが、法人に課せられている所得税の税率は20~30%台です。

また、法人経費は個人事業の経費と比べて範囲が広い点も魅力です。たとえば個人の場合には所得控除扱いになる生命保険料も、法人経費には全額計上できます。さらに借りている自宅を社宅の扱いにしたり、スポーツジムの会費を福利厚生費にしたりすることも可能です。自分の給料も経費として計上できます。

正しく確定申告をしなかったら?

正しく確定申告をしなかったら

確定申告は一定以上の収入を得ている以上、必ず行わなければならない手続きです。また、確定申告により決定された税額をきちんと納付することも義務となっています。単なる不注意や軽い気持ちからであっても、正しく行わないとペナルティが科せられ本来の金額より上乗せした税金を納めなければならなくなるため要注意です。

申告しなかった場合

定められた期限内に確定申告をしなかった場合「無申告加算税」が科せられます。無申告加算税の税率は税額によって異なり、50万円までについては15%、50万円を超える金額に対しては20%です。

ただし、税務署から指摘を受ける前に自ら申告した場合には軽減措置があります。「期限後申告」の扱いとなり、科せられる税率は5%です。

一定の要件を満たしていればペナルティが科せられない措置もあるため、申告していなかったことに気付いたら早めに税務署へ申告や相談を行いましょう。

申告期限を過ぎた場合

期限を過ぎてから確定申告を行った場合は、無申告加算税に加えて「延滞税」も納めなければなりません。納める延滞税は本来納める予定だった税額に以下の2パターンの税率を乗じ、安かったほうの金額を遅れた日数分で日割り計算した金額です。

・納付期限の翌日から2カ月以内の分:年率7.3%と「延滞税特例基準割合+1%」を乗じて安いほう
・2カ月を超えている分:年率14.6%と「延滞税特例基準割合+7.3%」を乗じて安いほうの金額

隠ぺい・仮装などを行った場合

計算ミスや認識違いなどによる誤りではなく、意図的に申告しなかったり税金を誤魔化したりした場合、また無申告のままでいることを税務署から指摘された場合には「重加算税」が科せられます。

隠ぺいや仮装などの行いに対する重加算税は、確定申告におけるペナルティのなかで最も重い罰です。納める金額は行為の重さにもよりますが、本来納める予定だった税額に対して35~50%くらいとなります。

不動産投資の確定申告のやり方を徹底解説まとめ

不動産投資で収入を得たら必ず行わなければならない確定申告は、経費の計上を正しく行うことで節税につなげられます。ただし、経費には計上できるものとできないものがあるため正しく理解しておくことが必要です。

さらに、不動産投資を個人として行う場合の経費と法人経費では計上できる内容に違いがあり、法人化すると所得税の税率も変わるため自分にあった形で不動産投資を行うことも大切です。

ペナルティを受けて不要な出費を作らないためにも、確定申告をする際には事前に必要書類をそろえたうえで手順にそって正しく手続きを行いましょう。

この記事を書いた人:吉田ゆかり
吉田ゆかり

【資格】宅地建物取引士・終活ガイド検定2級を保持

【実績】投資専門の不動産会社でお客さまサポートを4年、これまで100名以上を担当してきました。

間近で成功していく人・失敗していく人を見るうちに、不動産投資では「知識」こそが、勝敗を左右すると実感。知識がないために失敗する人を減らし、さらには『不動産業者=怪しい・怖い・ウソつき』という方程式をぶっ壊すべく、業界に身を置くからこそ知れる不動産投資のリスクやノウハウを発信しています。

また、私自身も物件取得に向けて、情報収集と貯金に励むプレオーナー。ゆくゆくは、実際に物件を購入するまでの流れや、赤裸々な収支なんかも公開していきます!

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